引用・リアクション: 15件
で、第二部が、「我が国で『裁判員制度』が運用されて」
推進派筆頭の四宮弁護士のレクチャーである。
裁判員制度から1年を経て、事前の「反対派の予測」を裏切り、実際に裁判員に選ばれた人たちは、「参加して良かった」という意見が大多数であり、裁判後に、裁判員の精神的トラブルが問題になるケースもなく、また、この制度が審理の短縮などにつながるというメリットを強調されるものであった。
パワーポイントやグラフを多用した解説は論旨明快でわかりやすく、また、四宮氏自身、3Dなどの高度なグラフィックも使用した資料による説明が裁判員に対して行われたことが語られる。
そして、この裁判員制度によって裁かれたのは601人。無罪0件(ごく最近3人)。
…….資料上は、驚きの有罪率100%である。(おい!)
なので、質疑応答では、かなりいろいろな質問が出た。
死刑を裁判員が決めることはどうなのか。
「そのリスクはプロの裁判官だけでも同じ。ただ死刑に関しては、もっと論議されるべきだろう」
「推定無罪」の原則に基づかないヒステリックなメディアの報道が裁判員に影響を与える可能性はないのか。
「米国で、メディアで激しく被告人が犯人と決めつけられてバッシングされても、版新評決で無罪になった例はある。必ずしも裁判員が、メディアに簡単に影響されるとは思わない」
…つまり、四宮氏は、性善説に立っておられるのである。
その意味では、彼の「日本人を信じ、その民間人の司法参加」の理想は美しいし、もちろん間違ってはいない。
ただし、よりによって第一部がアレですわ。
検察がいかにあの手この手で冤罪を作り出すか、みたいな話のあとなんである。
悪の秘密結社でもなんでもない、高い知性を持つ人たちの集団であるはずの検察が、暴走して拷問的手法によって冤罪を作り出す、という怖い話をこれでもかと聞かされたあとの性善説は、どうも分が悪い。
で、私も、例の「性犯罪被害者の人権問題」や「『キューバの5人』に極端な形で出てしまったような、『思想団体』や『暴力団』による裁判員への有形無形の圧力という事態に対抗できるのか」を質問させて頂く。
こうなると、やはり性善説からは、「そういう極端なことは起こらないことを信じる」という回答しか得られない。
いや、四宮氏がとてもいい人だというのはわかるんだけど、そもそも世の中がまっとうな常識人ばかりではないから犯罪は起こるわけなんで…。
ましてや「検察の取り調べが可視化されていない状態」で「検察がメディアにぼろぼろ虚偽リークし、それを御用マスコミが嬉々として報じる」状態での「迅速な裁判」は、世にも怖ろしい結果を引き起こしかねない、とさえ思う。